血に塗れた記憶の向こうで

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04




「で? スザクに何が起こったんだ!? 何か知っているのだろう? でなければおまえがスザクを気にかけるわけがない!!」
「ずいぶんな言い様だな、せっかく助けてやったのに。本来なら感謝の気持ちにピザをおごってくれてもよいところだぞ?」

 藤堂と納得いかないという顔をしたカレンが部屋を出たのを確認したとたんルルーシュはC.C.にせめよった。

「茶化すな! スザクに何があったんだ? 何もなければあんな風になるはずがない!」

「いいだろう。本当にお前はあの男が絡むと弱くなるな。だがそんなお前も悪くない。
 枢木スザクにはギアスがかかっていたはずだ。お前のギアスは私が与えたものだ。だからお前が誰にギアスをかけたのか、かかっている奴を見れば私にはわかる。枢木にはギアスがかかっていたこれは間違いないな?」
「あぁ。俺がギアスをかけた式根島で生きろと…」
「消えていた。枢木にかかっていたギアスがなくなっている」
 
 淡々とつむがれた言葉に頭がついてこない。

「何を言っている? ギアスが解けたということか? そんな馬鹿な!? ギアスは一度かけたら解除できないのだろう!? だからこそ俺はユフィをこの手にかけたんだ! 何とか言えC.C.!!」



 私は知っている今や虐殺皇女と呼ばれるピンクの髪のお姫様、ルルーシュの妹。私はあの時初めてルルーシュの涙を見た。
 何があっても泣くことをしなかったルルーシュが初めて流した涙。

「確かに私にはギアスを解除する手立てがない。だがおそらく響団には、ある はずだ…」

「ならばなぜそれを言わなかった! もしそれを手に入れることができればユフィを殺さずにすんだ!! 今更になって、なぜ!!??」

 ルルーシュの顔が怒りに染まっていた。

「知っているだろう? 響団はブリタニア皇帝の直轄だぞ? V.V.もいる。だからこそ私たちは今日に至るまで響団に対して手も脚も出ない。居場所さえわからないんだ。それと静かにしろ、枢木がおきる。それに話しはまだ終わっていない…」

 ルルーシュははっとベッドの上で拘束されたままころがされているスザクを見、目を細めた。

「続きを聞こう。」
「枢木はギアスを解かれた。おそらく響団が所有する何かにでだ。意味がわかるだろう?」
「つまり響団の人間がこちらに来ていると? しかし、ロロは何も言っていなかった。ロロが隠しているのかそれとも何も知らないのか…」
「ともかく、まぁそういうことだ。私は寝床を探しに行く。後は勝手にしろ。」

 そういってC.C.はさっさと背を翻した。

「おっおい! 待て! スザクがまたパニックを起こしたらどうするんだ!?」
「そんなもの私が知るか。なんだったらその仮面をとったらどうだ? じゃあな」

 C.C.はあっというまに部屋を出てしまい部屋にはスザクと二人だけになってしまった。
 ルルーシュは仮面をはずし、音を立てないようにスザクに近づき頬に手をそえる。
 どれだけ泣いたのか…パリパリになってはりついた髪をそっとはがしてやった。

 とてもあわただしかった1日はようやく幕を閉じた……はずだった。

 


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